令和2年度          令和元年度          平成29年度     

   平成28年度      平成27年度      平成26年度 

   平成25年度      平成24年度     

   平成22年度      

令和2年度

日 時:令和3年1月19日(火) 午後1時30分から午後3時50分まで
会 場:オンライン研修(各所属先もしくは宮崎県総合保健センター 大研修室)
対象者:市町村及び保健所の母子保健担当者 等
参加所属数:17箇所
プログラム:
  講演Ⅰ 「多胎家庭支援に向けたふたご手帖作成の経緯」
        講師 金城大学 看護学部教授 彦 聖美 氏
            (ふたご手帖プロジェクト代表)
      「ふたご手帖の紹介」

  講演Ⅱ 「多胎妊娠・出産・育児の特徴とふたご手帖の使い方」 
        講師 NPO法人いしかわ多胎ネット 理事長 山岸 和美 氏  
            (ふたご手帖プロジェクト委員、助産師)
 
  講演Ⅲ 「多胎家庭への行政保健師の役割」
        講師 多胎育児サークルハッピーキッズ旭川支部 代表 金森 聖美 氏
            (ふたご手帖プロジェクト代表 、保健師) 

  講演Ⅳ 「多胎家庭における当事者グループ支援の果たす役割」
        講師 さが多胎ネット 代表  中村 由美子 氏
            (ふたご手帖プロジェクト委員)

内 容:
 新型コロナウィルス感染症拡大の状況を鑑み、オンラインで研修会(Zoom)を開催した。
 母子保健に携わる市町村や保健所の担当者等を対象に、多胎家庭への切れ目ない支援を行うため、地域のニーズに沿った多胎支援の具体的な展開に繋げることを目的に研修会を開催し、17所属の参加があった。
 講師には、ふたご手帖プロジェクトとして、ふたご手帖作成に関わり活動されている4名の先生にご講演いただいた。
 
 講演Ⅰの彦 聖美 氏の講演では、多胎育児のおかれている現状や課題、ふたご手帖の作成の経緯について話された。行政において平等性の観点から多胎家庭というだけでは支援の対象になりくい現状があるが、多胎家庭に対する支援を集団という視点で捉え、多胎家庭にやさしい社会は育児家庭全てにやさしい社会というユニバーサルデザインの考えを持つことが大切であり、また、早め早めの支援、育児負担を具体的に想像し、なんとなくの支援から、根拠のある指導、自信のある支援をふたご手帖を活用して行って欲しいと話された。
 
 講演Ⅱの山岸 和美 氏の講演では、多胎妊娠は妊娠早期からの介入が可能であり、支援の必要な時期が予測できるので、多胎育児サークルに参加する人を待つのではなく、情報が行き届かない家庭、情報があっても活用できない家庭を妊娠初期の段階から積極的に支援していくことが大切である。支援者は、多胎妊娠の特徴と様々なストレスにさらされている多胎家庭の現状を理解した上で、多胎の大変さだけを伝えるのではなく、妊婦が早めに前向きな気持ちになれ、自己効力感を持て妊娠・出産・育児が行えるよう支援していくことが重要であると話された。
 
 講演Ⅲの金森 聖美 氏の講演では、行政保健師の役割として、多胎育児の困難性を理解し、家庭状況に会わせた指導、組織としての支援体制の構築していくことの重要性を話された。また、母子手帳交付時と妊婦訪問時のふたご手帖の使用方法やどのような声掛けをどのタイミングでしたら良いか等実践に沿って具体的にお話いただいた。
 
 講演Ⅳの中村 由美子 氏の講演では、育児の大変さを自身のふたごの妊娠、出産、育児の経験をもとに話された。ピアサポーターの人材育成や多胎家庭が出産してからの生活をイメージし覚悟を持って育児に臨めるよう、妊娠期から切れ目ない支援を行うため医療・行政・当事者グループが連携して支援していくことが大切であると話された。
 
 参加者からは、「自分自身も多胎家庭へ十分な指導ができているか自信がなかったため、ふたご手帖は大変勉強になった」、「当事者でしか分からない悩み、大変さを支援者側が具体的にイメージしていくことが大切だと感じた」、「市町村単位では多胎児の数も少ないため、ピアサポートについては県単位でも一緒に動いて一緒に支援できたらと思う」等の意見が多く聞かれた。この研修会が、多胎家庭の現状の把握や具体的支援を知るよい機会になった。

令和元年度

日 時:令和元年1018日(金) 午後1時から午後3時40分まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:県・市町村の母子保健、医療、福祉、教育等の関係者

参加者数:188名

プログラム:

〈講演Ⅰ〉  育てにくさを感じる親に寄り添う支援

~気になる子どもをどう理解し、どう接していけばいいのか~

講師 どんぐりこども診療所                   院長  糸数 智美 氏

〈講演Ⅱ〉  早期支援を支える地域支援体制

                               ~発達障害者支援センターと地域の役割~

      講師 宮崎県中央発達障害者支援センター      センター長 水野 敦之 氏

内 容:

母子保健サービスの第一線で活動している母子保健関係者を対象に、親や子どもの多様性を尊重し、それを支える社会の構築に必要となる知識や相談支援の対応技術等に係る知識の獲得を目的とする研修会を開催し、188名の参加があった。

講演Ⅰ糸数 智美氏の講演では、「育てにくさを感じる親に寄り添う支援~気になる子どもをどう理解し、どう接していけばいいのか」と題し、人間の土台となる乳幼児期の関わりがその後の子どもの成長発達にとって重要なこと、困っている子どもやその親に対してどのような関わりをしていけばよいかなど具体的な事例を交えながらの講演でした。例えばスマートフォンの普及により、愛着形成や子どもの体、心の発達に大きな影響が出ており、それを解決するためには、幼い頃からさまざまな「実体験」を子どもに積ませることが重要であると話された。

参加者からは、「日ごろから気になっていることや最近の問題点への対応方法などを学ぶことができました。」や「自分のこどもに置き換えて話を聴いていました。できない原因を子どもに向けていたが本当はその根っこの部分に目を向けていなかったと反省しました。」といった意見が多く聞かれ、参加者自身の日々の子育てや業務の振り返りになったようだった。

講演Ⅱ水野 敦之氏の講演では、「早期支援を支える地域支援体制~発達障害者支援センターと地域の役割~」と題し、発達障害をネガティブに考えずポジティブに地域全体で捉えていくことの重要性や生活年齢で子どもたちを見るのではなく発達年齢で見ること、それぞれの段階に合ったサポートをしていくことが必要であることを話された。また、発達障害者支援センターの今後の取り組みについては、各地域を周りそれぞれのニーズや課題を抽出、支援の底上げができるようにサポートしていくとのことだった。

参加者からは、「発達障害をポジティブに捉えると言う視点が大切だと感じた。」「今回お話いただいた具体的なサポート方法を取り入れていきたい。」や「発達障害者支援センターの今後の役割・支援の方向性がわかりました。自分たちも取り組めることからがんばりたい。」などこの研修で学んだことを今後の活動に活かして行きたいといった意見が多くみられた。

平成29年度

日 時:平成29年7月27日(木)午後2時から4時15分まで
会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等
参加者:181名
内 容:
 [行政説明]
  「宮崎県の母子保健事業の取り組み」 
          宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 矢野 好輝 氏
 
 本県の合計特殊出生率や周産期死亡率は、全国より高いレベルにあるが、人工死産率については全国平均を大きく上回り、平成22年から25年までワースト1位、平成26年からはワースト3位である。
 人工死産率の改善のため、人工妊娠中絶に関するアンケートを実施した結果、「人工妊娠中絶をした者は公的な相談窓口やピルを知らない者が多い」等の特徴を得た。その対応策として、健やか妊娠サポート事業を実施し、思春期教育(ピア・カウンセリングなど)、産科医療機関における家族計画・避妊指導、女性専門相談センター「スマイル」における「思いがけない妊娠への対応」等を実施している。

 [講演]
 「乳幼児の栄養と身長~乳幼児健診と栄養指導で見ておきたいポイント~」
     宮崎大学医学部生殖発達医学講座小児科学分野 麻田 智子 氏
 
 乳幼児の栄養は、生命維持とともに成長、発達に関わるものであり、エネルギー、栄養素の体重当たりの必要量は年長児や成人に比べて多い。特に3歳までの身長の伸びは栄養の影響がとても強く、体重が増えなければ、将来の低身長につながる。また、低出生体重児(出生体重が2500g未満の赤ちゃん)は、3歳までに標準範囲内のSDスコアに追いつけるように支援できなければ、その後、標準身長、体重に追いつかないことが多い。
 1歳半・3歳半健診で低身長精密として当院(宮崎大学医学部附属病院)紹介となった者(平成23~25年度)のうち、約3割は当院での再測定で-2.0SD以上の正常身長であり、測定過誤が疑われた。測定過誤を減らすため、健診会場で低身長児は2回測定する等工夫することが必要である。
 また、栄養指導するうえでは、児の生活状況を把握し、正しい知識を提供することが重要である。数回栄養指導を行っても児の体重が増加しない場合には、器質的疾患が原因であったり、脱水などの医療を必要とする状況だったりする場合もあるので一度医療機関受診が必要である。

平成28年度

開催日:平成28年11月7日(月)午後1時から午後3時50分まで
対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等
会 場:宮崎県総合保健センター 5階大研修室

参加者:166名

内 容:

〈行政説明〉 

 「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
   宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 木内哲平 氏

 

宮崎県内における母子保健の動向として出生率や妊婦死亡率は全国より高水準であるが、人口死産率は、全国平均を大きく上回り、平成22年から平成25年までワースト1位だったが、平成26年よりワースト3位となっている。また、今後全国展開が目標とされる子育て世代包括支援センターの説明がなされた。

       

〈講演〉

 「妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援 各自治体の取り組み事例を含めて」
   東邦大学看護学部 教授 福島 富士子 氏 

 

 先生が先駆的に取り組まれた産後ケアセンターについて、その必要性を母子保健の歴史や先生の研究等を踏まえながら丁寧に指導いただいた。参加者からは「産後ケアの重要性を強く感じた」「先駆的な事業について聞けて良かった、産後ケア施設が今後広まってほしい」等の感想が多数聞かれた。

平成27年度

日 時:平成27年10月22日(木)午後1時から3時40分まで
会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等
参加者:99名
プログラム:

 行政説明「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
       宮崎県福祉保健部健康増進課 主幹 森木 大輔 氏


 講演  「よい歯のために今できること」
       矯正・小児ひまわり歯科 院長 柿崎 陽介 氏
     
内 容:
 宮崎県からの委託事業として「母子保健指導者研修会」を開催した。
 107名の申込みがあり、当日の参加者は99名であった。職種は母子保健推進員、保健師、助産師、看護師、保育士等であった。
 まず、「宮崎県の母子保健事業の取り組み」として宮崎県福祉保健部健康増進課の森木大輔主幹が行政説明を行なった。宮崎県の出生率は全国7位、合計特殊出生率は全国2位と上位であるが、死産率が全国平均と比べて高いことが示された。そのなかでも、人工死産は経産婦に多く、2人目、3人目を育てられないため人工死産となることが多い。健やか妊娠推進事業では、思春期教育や産科医療機関における家族計画、避妊指導などを行なっている。思いがけない妊娠への対応として、電話や面接で相談できる「スマイル」という窓口も設けられている。また、今年度から妊婦歯科健診の市町村事業に県が補助をするようになった。現在は7市町村が実施しているが、それを県全体に広げていきたい。3歳児、12歳児の虫歯有病率は年々下がってきているが、全国平均よりは高い状態が続いている。
 次に、「よい歯のために今できること」と題して、矯正・小児ひまわり歯科の柿崎陽介院長が講演を行なった。
 虫歯の治療に関しては、虫歯だけを治療すればいいのではなく、その背景にある環境を考えなければいけない。歯が溶けるほどの食生活をしているということは、身体の他の部分にも不調は出ているはずである。歯の治療だけ行なったとしても、食生活や生活習慣が変わらなければ、また虫歯になる。特に、子どもに関しては、親が気を付けなければならない。子どもは食べるものを自分で選べない。2歳頃で生えてきた歯が3歳頃には虫歯になっているということは、その歯を治療したとしても、すぐにまた虫歯になってしまう。治療だけでなく、虫歯の原因を母親などに考えてもらう必要がある。
 また、歯並びが悪いと、食べ物を噛み切れなかったり、噛めなかったりするため、子どもの偏食につながることもある。歯並びは体の歪みや姿勢などにも影響するため、歯並びの矯正をしていくときは、全身を見ていく必要がある。
 妊娠中はホルモンの変化などで唾液の量が少なくなり、口腔内のトラブルが起きやすくなる。つわりなどで歯磨きが十分にできていないと、口腔内に菌が増え、口臭や虫歯の原因となってしまう。妊娠中は歯茎の腫れや出血も起きやすくなる。妊娠が分かったら、歯科健診を受けるようにして、口腔内のトラブルをなくしていくことが大切である。
 呼吸のやり方も大切であり、口呼吸ではなく鼻呼吸をするようにする。口呼吸をすると、口腔内が乾燥してしまい、口臭の原因になったり、咽頭部に直接空気が入るため、細菌やウイルスを吸いこんでしまうことになる。鼻呼吸をすると、吸いこんだ空気は粘膜やリンパのフィルターを通り、加湿されることで細菌等を体に直接吸い込まなくなる。鼻呼吸を口呼吸に変えていくために「あいうべ体操」が効果的である。
 参加者からは「とても分かりやすく、歯の大切さを学ぶことができました。」「歯の健康と体の健康について分かりやすく学べました。」との感想があった。
 今回の研修では、歯の大切さだけでなく、食習慣や生活習慣とのつながりについても学ぶことができた。今後の母子保健活動に役立つことを期待したい。

平成26年度

日 時:平成26年11月13日(木)午後1時10分から3時50分まで
会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等
参加者:106名
プログラム:

行政説明「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
      宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 瀧口 俊一 氏
講演Ⅰ 「保健所における不妊専門相談センターの状況について」
      講師:宮崎県中央保健所 不妊専門相談員 原 徳子 氏
講演Ⅱ 「不妊症の患者さんを前にして」
      講師:とえだウイメンズクリニック院長 戸枝 通保 氏

内  容:
 宮崎県からの委託事業として「母子保健指導者研修会事業」研修会を開催した。
 112名の申込みがあり、当日の参加者数は106名であった。職種は母子保健推進員、保健師、助産師、看護師等であった。
 まず、「宮崎県の母子保健事業の取り組み」と題し宮崎県福祉保健部健康増進課 瀧口俊一課長が行政説明を行った。
 宮崎県の母子保健の特徴として合計特殊出生率は全国より高く全国2位であり、平成20年から全国3位以内に推移している。そして、以前は高かった周産期死亡率は大幅に改善されており、全国でもトップレベルを維持している一方、人工死産率は全国平均を大きく上回り、平成22年度から再びワースト1位になっている。県は産婦人科医会と協力して、今年10月からアンケート調査を実施している。
また、県では「安心して子供を産み、育てることを地域や県民全体で支え合う社会づくり」をめざし、今年12月に頒布用の新しい冊子を企画しているとのことだった。
 次に、「保健所における不妊専門相談センターの状況について」と題して、宮崎県中央保健所 不妊専門相談員 原 徳子 氏が講演した。不妊専門相談センター“ウイング”は不妊に悩む人の相談窓口として、中央保健所と延岡保健所と都城保健所の3か所で活動している。相談件数は年々増加していたが、平成21年度以降は、年間500件~600件を推移している。中央保健所での相談は、メール・電話・面接で行い、メールでの相談が最も多い。相談内容で最も多いのは「医療情報」であるが、話しているうちに悩みを打ち明けられることも多い。2番目に多いのは「治療の悩み」で治療継続の悩みには経済的負担に悩む相談者も多く、不妊治療費助成事業への活用についてもアドバイスしているとのことであった。
 最後に、「不妊症の患者さんを前にして」と題して、とえだウイメンズクリニック 院長 戸枝 通保 氏が講演した。不妊治療に関する基本理念5項目について説明された上で、妊娠を阻む要因として1番大きいものは母体年齢であり、次にストレスである。不妊治療は夫婦の問題であり、孫を望む家族問題ではないという認識が大切。妊娠を望み2年以上夫婦生活を営んでいても妊娠しない場合を不妊症と呼んでいるが、晩婚化している現在は年齢を配慮した対応が必要だ。実際とえだウイメンズクリニックの受診患者の平均年齢は38.5才で、ART(体外受精)をしている平均年齢は40歳であるが、40歳になると状況は非常に厳しくなることを将来妊娠を望む方に伝えてほしい。不妊症の原因は男性にある場合と女性にある場合は半々である。以前の調査では女性が多かったが、それは女性に原因がある場合は男性の検査をしていなかったためであった。生殖医療の進化とともに、比配偶者の配偶子を用いた体外受精や、遺伝子診断について等、倫理的な判断が重要となってきていると結ばれた。
 参加者からは、「妊娠はとても神秘的なものだと感じた。また不妊についての正しい知識と、不妊治療を受けている方の正しい理解が必要だと感じた。」「不妊治療で悩む方が胸をはって治療できるように、一般の方々への啓発も大事だと思いました。」との感想があった。
 今回の研修会で、不妊治療の現状や問題となっていること、治療を受けている方への援助について学ぶことができ、今後の母子保健活動に役立つことを期待したい。

平成25年度

日 時:平成25年9月2日(月)午後1時10分から午後3時50分まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等

参加者:172名

プログラム:

【行政説明】
 「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
   宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 和田 陽市 氏
【講演I】
 「タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニング検査の導入について」
   宮崎大学医学部生殖発達医学講座小児科学分野
                   講師 澤田 浩武 氏
【講演II】
 「予防接種のすすめ」
   宮崎生協病院 小児科 科長 上野 満 氏

内 容:

 はじめに宮崎県の母子保健の特徴と県の取り組みについて説明があり、宮崎県の平成24年の出生率は8.8%で全国7位と高い状況であるが、死産率が31.5%、人口死産率は19.6%と全国ワースト1位であった。また、合計特殊出生率は1.68で全国3位と全国よりも高率となっており平成20年から全国ベスト3位以内を推移しているものの、人口を維持する2.08を下回っていることなどの説明があった。
 講演Iでは、「タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニング検査の導入について」と題して澤田浩武先生にご講演いただいた。初めにマススクリーニングとは、マス=大勢・多数、スクリーニング=ふるい分ける・選別することを意味し、特定の酵素の遺伝子が障害されることにより生じる先天代謝異常について具体的症例を示しながら説明があった。その中で、代謝異常の診断や治療方法についても説明があり、早期診断・早期治療が児のその後の生育に大きく影響すると話をされた。宮崎県では平成25年4月よりタンデムマス法を用いたスクリーニングを実施しており、タンデムマスの導入がスクリーニング体制を効率化し、医療や福祉費用の低減にも寄与するなどの話があった。
 講演IIでは、「予防接種のすすめ」と題して上野満先生にご講演いただいた。生後2か月からワクチンデビューすること、同時接種は積極的に利用すること、任意の予防接種であっても必要でないワクチンはないこと、また、適切な時期に必要なワクチンを接種するなどの話があった。
 参加者からは、「タンデムマススクリーニング検査の必要性・重要性を実感できた」「予防接種の種類や接種方法も変わり、お母さん方への説明に自信をなくしていましたが、自信を持って推奨し、同時接種もすすめていきたい」などの感想があった。

平成24年度

日 時:平成24年9月3日(月) 13時00分から15時50分まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等

参加者:218名

プログラム:

【行政説明】

 「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
   宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 和田 陽市

【講演I 】

 「子どもと親への適切な支援 ~宮崎県の未熟児医療の現状と課題~」

   宮崎大学医学部生殖発達医学講座産婦人科学分野

    教授 鮫島 浩 氏

【講演II】

 「子どもと親への適切な支援 ~産後メンタルヘルス支援の考え方と実践~」

   延岡保健所健康づくり課 保健師 長﨑 桃子 氏

内 容:

「子どもと親への適切な支援」をメインテーマに、講演I「宮崎県の未熟児医療の現状と課題」と、講演II「産後メンタルヘルス支援の考え方と実践」とした。
はじめに宮崎県福祉保健部健康増進課 和田課長より「宮崎県の母子保健事業の取り組み」について行政説明があった。
講演Iでは、「宮崎県の未熟児医療の現状と課題」と題して、宮崎大学医学部生殖発達医学講座産婦人科学分野 鮫島 浩教授から「宮崎の医療システム、周産期ピラミッド、宮崎県の未熟児医療の問題点は何か、予後不良因子の平行移動、平均余命、未熟性と予後関連臓器、呼吸窮迫症候群(RDS)、世界一の成績を維持する宮崎大学医学部産婦人科のチーム医療、新生児聴覚スクリーニング検査、未熟性と予後について」の講演があった。
講演IIでは、「産後メンタルヘルス支援の考え方と実践」と題して延岡保健所 長﨑桃子保健師から「産後メンタルヘルス支援の考え方、育児支援チェックリスト、エジンバラ産後うつ病質問票、赤ちゃんへの気持ち質問票」の3つを活用しながらの講演があった。
参加者からは、「宮崎県の周産期医療水準の高さと、その予後の課題が理解できた」「早産を防ぐような環境を作り、母親への支援なども必要と感じた」「支援者の経験や勘だけでなく指標に基づき把握することで、継続的に使用できる点が有意義と思います」等の感想があった。

平成22年度

日 時:平成22年9月30日(木)午後1時から午後4時まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:宮崎県、市町村の母子保健・医療・福祉・教育関係者等

    (医師・助産師・保健師・看護師・栄養士・母子保健推進員・保育士等)

プログラム:

【行政説明】

 「宮崎県の母子保健事業の取り組み」
   宮崎県福祉保健部健康増進課 課長 和田 陽市

【講演I 】

 「新生児聴覚スクリーニング検査の必要性と事業の実際について」

   宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室 言語聴覚士 牛迫 泰明 氏
【講演II】
 「きこえとことばが気になる乳幼児、保護者への支援」
   宮崎市総合発達支援センター 言語聴覚士 鍋倉 亜里子 氏
 「乳幼児期に必要な保護者支援とは?
   ~聴覚支援学校における取り組み~」
   宮崎県立都城さくら聴覚支援学校 乳幼児教育相談 担当 宮田 恭子 氏


内 容:

今回のテーマは、平成20年4月から実施している「新生児聴覚検査・療育体制の構築事業」の内容とした。
まず行政説明、宮崎県の母子保健の特徴と県の取り組みの説明があった。
講演Iでは、「新生児聴覚スクリーニング検査の必要性と事業の実際について」と題して、宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室 言語聴覚士の牛迫泰明先生にご講演いただき、耳の役割や検査の必要性、県内の聴覚に問題のある子どもの状況等の説明があった。
講演IIでは、療育実施機関である宮崎市総合発達支援センターと宮崎県立さくら聴覚支援学校から支援内容について講演をしていただいた。
まず、宮崎市総合発達支援センター 言語聴覚士の鍋倉亜里子先生にご講演いただき、センターに受診された時の見る視点や、「赤ちゃん言葉を使う」という保護者からの相談に対する保育園での見る視点等を説明された。
次に、宮崎県立さくら聴覚支援学校 乳幼児教育相談担当の宮田恭子先生に聴覚支援学校における取り組みについてご講演いただいた。乳児期・幼児期前期に必要な支援で一番難しいのが「安定した母子関係の形成」で子どもの言語発達の鍵を握るのは親であることを言われた。保護者への心の支援は、ピュアカウンセリング(親同士先輩ママ)とロールモデル(聴覚障がいのある0~18歳の生徒や教師と関わる)で子育てに前向きになれる「なんとかなる」と思えるように支援していくことを説明された。
参加者からは、「早期発見、早期治療の必要性について改めて学び、母子手帳交付時の説明をより丁寧に行っていこうと思った。」「安定した母子関係を形成するまでの支援や障がい受容の難しさについて学ぶことができた。今後の支援に役立てたい。」などの意見があった。