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平成30年度 宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト講演会を開催しました

日 時:平成31年2月6日(水) 午前10時から午後3時まで
会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
対象者:県、市町村、県内企業団体等
参加者数:122名
内 容:
 宮崎県委託事業の「がん検診受診率向上プロジェクト事業」で講演会を開催した。
 当日参加者数は122名(県・市町村24名、企業63名、学校15名、個人・その他20名)であった。
 今回の講演会では、企業、行政、医療関係者、一般の方を対象にがん検診の重要性の啓発と受診率向上に必要な官民協働の取り組みについて意見交換を行い、今後の取り組みに役立てていくことを目的とした。

講演Ⅰ
  演題 「新たな検診法 ワクチンのことも」
            宮崎県立宮崎病院 副院長 嶋本 富博 氏

・子宮頸がんの原因の一つにHPVウィルスがあり、誰でも感染するウィルスで感染を防ぐのは難しいのでHPVウィルスが陽性であるということは人間である証である。ウィルスに感染しても90%は自然消滅して10%が前癌病変となり、実際に感染した人のうち、1000分の1が、がんを発症する。

・現在、日本はHPVワクチンの積極的な接種は行っていない。WHOは、HPVワクチン接種へのプログラム導入を強く推奨しており、オーストラリアでは2007年からワクチン開始、2013年から男の子も接種しており、18~24歳の陽性率27%だったのが、2015年は陽性率が1.1%と減少している。

講演Ⅱ
  演題 「大切にしたい自分の体 ~2度の子宮がんを経験して~」
                    タレント 原 千晶 氏

・子宮頸がんはワクチン接種と検診で防ぐことができるがんであること、特に若い女性に自分の体は自分で守ってほしい。妊娠、出産の将来設計がある女性は自分の体調を整えることが健全な妊娠、出産、子育てに繋がっていくということ、女性が元気でなければいけないということを伝えていきたい。

【パネルディスカッション】
   演題「宮崎県のがん対策について ~官民協働の取り組み~」
   コーディネーター:宮崎県福祉保健部 健康増進課 矢野 好輝 
   パネリスト:タレント 原 千晶氏
         宮崎県立宮崎病院 副院長 嶋本 富博 氏
         東京海上日動あんしん生命 宮崎生保支社長 掛川 敦史 氏
         全国健康保険協会宮崎支部 保健グループ長 加藤 栄子 氏

  「がん検診受診率向上のための県民への普及啓発について」
 子宮頸がんは若い女性(特に20~30代)の罹患率、死亡率が増えてきているが、その年代の検診受診率は低い。この現状をもとに若い年代の検診未受診者に対して検診の普及啓発をしていく必要がある。
 普及啓発の方法として、有名人ががんになった時、2年前に著名な方が乳がんになった時など乳がん検診が多くなった。メディアの力、著名人の力は大きいと思って上手に利用していけばいい。

 「女性または働く世代の方の、がん検診を受けやすい環境整備について」
 検診を受けやすい環境整備は、事業場と家庭の両方で受けやすい環境を作っていくことが必要である。例えば、夫が妻に「検診を受けなさい」と言うだけでなく、妻が検診に行けるように「今日は自分が有休を取って家のことするから検診に行っておいで」「一緒に検診受けに行こうよ」など妻が検診に行ける環境を家庭の中でも作ることが必要である。
  
 子宮頸がん検診は、がんになる前の細胞がわかる検診であることや、異形成は「がん」ではないことなど、検診の結果を誤解している人も多いので、ここをしっかり説明していく必要がある。これからは子宮頸がん検診は、がんになる前の細胞を見つける検診であることや早期発見で治療を行うとほぼ100%治癒すること、若い女性に多いことなどを、わかりやすく冊子、番組、メディア、ユーチューブなどで啓発していきたい。

平成27年度

日 時:平成27年10月2日(金)午後1時30分から4時30分まで
会 場:宮崎県総合保健センター 5階大研修室
対象者:宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト団体企業、県、市町村、一般
     ピンクリボン活動みやざき協賛・賛同団体
参加者:63名
プログラム:実施要領をご覧ください


内  容: 

【講演】

「検診受診率を上げる! 

  行動変容マーケティングの科学的アプローチによる先進事例」 
 株式会社キャンサースキャン 代表取締役 福吉 潤 氏
 

検診の受診率を上げるの方法は「メッセージ」と「仕組み」であることを話された。また、メッセージが伝わりにくい理由に人は認知的歪みがある。認知が歪むのであれば、歪みを利用して、伝えたい情報を伝えて、引き起こしたい行動を引き起こすという事はできることを事例を用いて話された。
仕組みについては、Opt-in方式よりOpt-out方式の方が受診率が上がることも説明された。


【自治体活動報告】

「がん検診受診率向上に向けた
  ~ソーシャルマーケティングの視点を取り入れた受診勧奨~」
 福井県高浜町保健課 課長補佐 越林 いづみ 氏 
 

未受診者の特徴を理解するために、KAP(知識・態度・行動の頭文字)調査を行い対象者のことを知ってタイプ別のアプローチを行った取り組みを説明された。


【企業・事業所活動報告】

「当社におけるがん検診受診率向上の取り組みと課題分析」
 東京海上日動火災保険株式会社宮崎支店 

 健康相談室 保健師 井上 聰里 氏

 

健康管理体制、健康診断内容の説明をされた。また、がん検診に対する社員の意識調査を検診を積極的に受けている群と受けていない群に分けて調査した結果を説明された。

 

【パネルディスカッション】

「職域のがん検診受診率向上における課題と解決方法について」
  コーディネーター:株式会社キャンサースキャン代表取締役 福吉 潤 氏 
  パネリスト   :福井県高浜町保健課 課長補佐 越林 いづみ 氏
           東京海上日動火災保険株式会社宮崎支店 

             健康相談室 保健師 井上 聰里 氏 


始めに、福吉先生が実施した企業のがん検診受診率向上に向けたアンケート結果について説明。その後、参加者からの質問に対して講師の方からご回答をいただいた。

平成26年度

日 時: 平成27年3月4日(水)午後2時から4時20分まで
会 場: JA・AZMホール別館 202研修室
対象者: 宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト団体企業、県、市町村、一般
      ピンクリボン活動みやざき協賛・賛同団体
参加者: 63名
プログラム:

【講演】 

 「がん検診受診率向上の取り組み」
  講師 国立がん研究センター
     検診評価研究室 室長 濱島 ちさと 氏

【活動紹介】

 「JAグループ宮崎の健康管理」
  講師 宮崎県農業協同組合
     農政組織部 生活女性担当課 課長 山﨑 峰子 氏
内  容:
【講演】
 効果のあるがん検診とは、早期のがんを症状が出るまでに発見し、治療することによりがんの死亡リスクを減少させる。
 がん検診によりがん死亡を減少させるためには、有効ながん検診を正しく実施する必要がある。すなわち、有効な検診とはがん検診ガイドラインに基づき、徹底した精度管理のもと受診率対策を行うことが必須である。また、がん検診を受診しない理由として、「がんが怖い」「健康に自信」「必要ならいつでも受診できる」「検査に不安」などがあげられているが、これは正しい情報の不足や誤解が生じている。つまり受診対象者に、がん検診の正しい知識を知ってもらうなど啓蒙活動が必要である。フリー・クーポンが発行されても、受診率向上にはつながらない。一時的には受診率があがるが、継続には結びつかない。
 また、「なぜ、がん検診を受けたいのか、受けたくないのか」「がん検診としてどの方法が有効か」「がん検診のメリットとデメリット」など「どのようながん検診を受けるべきか」を共に考えていくプロセス、受診者と医療従事者等の共同意思決定が求められる。
 検診と診療を明確に識別する必要がある。診療とは症状や何らかの不安がある人が対象で、病気を正しく診断することが大事であり、体への負担が大きかったり、高価な検査の場合もある。一方、検診は症状がない健康な人が対象で、体に負担の少ない安価な検査方法で科学的根拠の確立したものが選択される。
  次に、受診勧奨の原則は、「受診率対策は数字合わせではない」「生涯健康で過ごせるための支援対策」「性・年齢別の構成に合わせたがん検診の提供」「提供すべきは受診機会だけではなく、がん検診の基本情報」「検診受診が継続するような保健指導」が必要である。その受診勧奨のために、がん検診ガイドラインの内容を一般市民にもわかりやすく伝え、適切な情報に基づき受診の判断を行えるように市民参加型のリーフレット等を作成し、親近感がえられやすく、作成に関与した委員や外部評価の協力者などが、「がん検診を推進する役割」を果たし、また、検診受診者の受診動機になりうるものが必要である。
 がん検診による最大の利益は、早期発見によりがん死亡率が減少することであるが、重大な不利益として、「がんがあるにもかかわらず、正しく判断されない」「がんがないのに、がんがあるかもしれない診断」「不安や緊張感」など、受診者にも不利益の情報をきちんと伝え、個人の価値観を尊重しながら受診の判断を支援することも大事である。
 受診率向上のためには、効果がすぐに出る秘策はなく、有効ながん検診(対策型検診)をガイドラインに基づき、精度管理のもと実施し、正しい情報を理解しやすく受診者に伝える工夫が必要である。また、受診者の意識が変わらないと受診率の向上やがん死亡率の減少につながらないため、地道にコツコツと啓蒙活動が重要である。

 

【活動紹介】
 JAグループ宮崎は、現在、正組合員49,769人、准組合員73,939人で構成されている。農業だけで生計を立てている方が少なくなったので、正組合員より准組合員の数が多くなっている。
  健康診断については、JAグループ宮崎全体で検診料金の助成なども行っており、職員が受診しやすい環境を整えている。また、JAグループにはJA厚生連があり、全国に114の病院と63の診療所を有しており、組合員及び地域住民が日々健やかに生活できるように、保健・医療・福祉の事業を通じて支援を行っている。
 昭和45年の全国農協大会で「生活基本構想」が決議され、「健康診断」と「健康教育」の二つの柱の基、農協としての健康管理活動を行っている。
 JAには女性部(以前は農協婦人部)があり、主な活動では、昭和40年にキッチンカーでの食事巡回指導、昭和43年には、米一升運動を行い、1,350万円の基金を集め子宮がん検診車を県対ガン協会に寄贈した。また、昭和61年からひむか健康貯金運動をはじめ、半日ドック検診運動を展開した。
 医療機関と連携した移動検診車による乳がん検診については、平成16年当初1,000名を超える受診者であったが、現在は市町村の検診事業の中で受診できるようになり、250名程度に減少してきている。
 近年、JA健康寿命100歳プロジェクト運動を進めており、要介護年数(男性9年、女性13年)をできるだけ縮めて健康で長生きできるよう、認知症サポーター養成研修やピンクリボン運動、検診啓発活動を行っている。
 参加者からは、公衆衛生活動の歴史を聞くようで大変興味深く、また、健康づくりに関しても積極的に取り組みをされ、特に女性部の活動がとても充実していて素晴らしく、今後も地域に密着した活動を期待している等の感想が寄せられた。

 

【講演における質問事項】
質問:各がん検診において、年齢の上限は必要ないですか。
回答:高齢の方の精密はその後のデメリットも大きいような気がします。

 

質問:肺がん検診は40歳以上が対象となっているが、高齢者が受けることが多く、年齢上

   限を設けた方がいいのか。また、胃がん検診(胃X線検査)も80歳代で受ける方が

   おり、個人差もあるため、案内文書等で強く年齢制限を表記できないので、ある程度

   の年齢の上限を教えてほしい。
回答:・検診の上限下限を決め、対象を明確化することは必要なことです。
    しかし、その方法が確立しているわけではありません。
   ・胃がん検診と乳がん検診では、罹患率が低い若年世代では検診の利益よりも不利益
    が大きいことから開始年齢を設定しました。
   ・罹患率の高い高齢者については、若年とは異なる検討も必要で、また、全ての検診
    で同じルールで決める方法が確立していないことから、その設定は見送りました。

 

質問:甲状腺がんの不利益を具体的に教えていただきたい。
   (肺がんCT検査で発見され治療する人がいるので)

回答:甲状腺がん検診は死亡率減少効果が確立していません。そのうえ、命には影響の少な

   いがんを見つけてしまう可能性があります。この過剰診断は余計な検査や治療を行う

   原因になることから、最大の不利益です。

 

【活動紹介における質問事項】
質問:JA共済契約者への検診補助について、どういう流れで補助が受けられるのか知りた

   い。例えば、本人が領収書を持参するのか。
回答:詳細については、JAグループ宮崎の各JA健康管理担当者へたずねていただきた

   い。

 

【その他の質問事項】
質問:DVD「がんちゃんの冒険」は入手できるか。
回答:平成27年版が作成予定ですので、発行されましたらお知らせします。

 

質問:宮崎県の各がん検診の受診率について知りたい。(全国と宮崎県の比較等)
回答:「宮崎県のがん情報サポートサイトがんネット宮崎」をみていただきたい

平成25年度

日 時:平成26年1月27日(月)午後1時30分から4時30分まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト団体企業・

     ピンクリボン活動みやざき協賛・賛同団体、一般・市町村・県

参加者:104名

プログラム:

【講演1】
  演題:「がん検診の受診率を上げるために」
  講師: 山形県庄内保健所 所長 松田 徹 氏
【講演2】
  演題:「産業保健からみたがん検診」
  講師: 公益社団法人鹿児島県労働基準協会
       労働衛生センタ-所長 小田原 努 氏


内 容:

【講演1】

 がん検診の受診率が全国でも高いレベルにある山形県と、宮崎県との違いで特徴的な事は、山形県では、市の方が、町、村よりがん検診の受診率が高いが、宮崎では、村が最も高く、次に町、市が一番低いということ。宮崎県においては低い市の受診率が、山形県ではなぜ高いのか。これは何による違いなのかを考える必要がある。
 検診受診率に影響する要因としては、風土・宣伝・気質・認識・システム・手法等がある。手法による影響の一つでは、山形県では1市を除き、がん検診申し込み用紙が全戸配布されているが、以前酒田市では世帯からの申し込みを、希望者が電話で申し込んでいた。そこで返信封筒を用いた郵送にしたところ、大腸がん検診では受診率が最も高い地区で9.8%増加した。
 また、胃がん検診では申し込みのない家庭への確認を行うことにより、受診率に約8%の開きがみられ、受診勧奨を実施しているところと行わない市町村を比較すると約13%差が認められた。このように、再受診勧奨(コールリコールは)の有効性はあきらかに現れている。
 検診対象者を把握するためには、全世帯への意向調査を行い、経年的な把握を含めた情報収集をすることが大切。英国においては家庭医登録リストがあり、オーストラリアでは、法律で選挙人名簿利用が認可されており、催促の通知、受診時に電話番号を教えてくれた人への2年以内の電話が可能となっている。個人情報保護で受診勧奨が制限されるため、法的な裏付けがあれば受診勧奨が進みやすいが、日本にはない。
 また、山形県でのがん検診受診率が高い理由の一つに、がん検診の委員会のあり方がある。県に設置されている生活習慣病管理指導協議会とは別に、県医師会の検診機関と県の担当職員が同席して行う各検診中央委員会がある。生活習慣病管理指導協議会は、精度管理や問題点を検討する協議会で問題の改善はできにくいため、検診問題の改善への調査が職域専門の検診機関を含めて行えるようになっている。
 地域と職域連携の必要性が強調されている中、鶴岡市は協会けんぽからのリストに基づき小規模事業所を訪問し、アンケートによりがん検診の実態把握を行った。職場でのがん検診の機会がない人は18%おり、そういう人は市町村へ申し込んで受けられることを知っていても受けない人は半分弱で、そういうことも知らない人が20%弱もいることがわかった。
 この結果を踏まえ、職場でがん検診受診機会がない従業員をターゲットとして計画されたのが庄内町のがん検診向上モデル事業。この事業では検診を知らせる方法も従来の広報紙に加えて、カラーのポスターやリーフレットを工夫。レディース検診は、「女性医師・スタッフを」クイック検診では、「1時間で終わる」とうたった。
 また、その他の取り組みとしてがん検診無料化、商工会を通じた事業所への周知等による職域機関との連携を行った。さらに小学生から両親、祖父母への受診勧奨を勧めるメッセージを盛り込んだパンフレット「子どもから家族への受診勧奨」を配布した。その結果、モデル事業時の受診者アンケートでは、回答の57%が前年度に検診を受けておらず、過去に一度も検診を受けたことがなかった者も31%にのぼった。
 がん検診事業についての知識と経験を多くの事例とともにご講演いただき、充実した90分間だった。最後に、「がん検診受診率向上に奥の手は無い。ただし必ず向上策は見つかると確信します。」と締めくくられた。


【講演2】

 医療技術の進歩により生存率の飛躍的な向上があり、がんに罹患した労働者が増加し、定期通院や治療の副作用により、就業継続を希望するにも拘わらず退職に至るケースが増えている。また一方労働者には治療継続のための経済上の問題が生じている。
 2008年に行われた調査によると、がん発見時に勤務先への報告を行ったケースは約90%で「周りに余計な気遣いをされたくない」との理由で約10%は勤務先に報告していない。職場への復帰状況は、約2ヶ月未満の休職の後、約70%~80%が元の職場に復帰するが、10%は転職となっている。がんと診断された時点ですぐに退職してしまい、以外と早く復帰できて後悔するケースが多いため、企業、労働者双方の知識(心構え)が必要となる。
 企業側の復職支援としては、第一ステップ:病気休業開始および休業中の対応。第二ステップ:主治医による職場復帰可能の判断時の対応。第三ステップ:職場復帰の可否の判断及び支援プランの作成として、本人との面接、主治医からの意見を得て、就業上の配慮事項を作成し、産業保健スタッフがいる場合は、産業スタッフが上司や職場への支援を行う流れとなるが、産業保健スタッフが配置されていない場合は困難となる。
 企業での効果的ながん検診を勧めるためには、協会健保の生活習慣病健診や、組合けんぽ補助の人間ドックや定期健康診断を兼ねて施行することや、ポスター等での受診勧奨と啓発を行うことが大切だ。また、がん検診をひとつだけの枠組みでなく、産業保健の枠組みの中でとらえ、通常の健康診断と同様に事後措置を行うことが必要。しかし、法定外項目であり産業医でも個人情報と考える人もいて、認識の違いで精密検査への受診勧奨がやりにくい面がある。しかし、事前に安全配慮義務の範囲として受診者の包括的の同意を得ておくことや、朝礼などで受診結果を会社に提出するよう指導する。受診結果未提出者は個別に手紙で催促する。責任者から個別に指導してもらう等が有効となる。一度軌道に乗ると、受診結果を会社に提出するという文化が定着するため努力と工夫が必要だ。と話された。
 参加した産業保健スタッフからも大変参考になったとの感想が多くあった。

平成23年度

日 時:平成23年11月15日(火)午後13時20分から16時00分まで

会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室

対象者:宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト運営・推進団体企業、

     ピンクリボン活動みやざき協賛・賛同団体、県・市町村・一般

参加者:127名

プログラム:

【講演】「がん予防とがん検診―がんで死なないためには?」
     東京大学医学部附属病院 放射線科 准教授

      緩和ケア診療部 部長 中川 恵一 氏
【中川恵一先生とのトークセッション】
    「職場におけるがん検診受診率アップのための対策について

      ~企業2社の取り組み~」
     株式会社宮崎銀行 保健師 日野 美穂 氏

     旭化成健康保険組合家族健康指導グループ 保健師 柳田 美智子 氏

【体験トーク及びライブ】

    「子宮がんを知って下さい~私の体験談~」

     子宮頸がん啓発団体キャリア・ピジョン 代表 あまの ともみ 氏


内 容:

宮崎県からの個別委託事業「宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト事業」として講演会を開催し、行政、病院、企業、一般から、当日127名の参加があった。
中川恵一先生の講演で、はじめに「2人に1人ががんになる。このことは、隣の人と自分とでは、どちらかががんになるということであるが、なんとなく、自分ではない気がするのでは?」と問いかけられた。がんで死ぬことは防げるが防げられていないことが問題であると言われ、がんで死なないためには、がんにならないよう生活習慣を改めること、早期に見つけて完治させることが大切という事であった。がんにならないような生活習慣とは、①タバコを吸わないこと。②野菜と果物を十分にとり、塩分の取りすぎに注意をすること、運動不足を心がけることなどで、これらの生活習慣を改めることで、がんの3分の2を減らすことができると言われた。また、早期のがんは症状が出ないことから、症状が出ないうちの定期的な検査が大切であると言われた。日本人の受診率が上がらないことは、日本人が、がんのことを知らなすぎることが影響していると言われ、がんについて知れば自然とがん検診に足がむく為、正しいがん知識普及の大切さを伝えられた。
また、企業の中で、がん検診を受けることが求められている背景には、女性社会進出と定年延長があることを挙げられた。がん発症と年代の関係では、30代後半で子宮頸がんが、40代後半で乳がんの発症が多いこと、また、55歳以上から男性のがんの発症が急増することから、職場でのがん検診の重要性が高まっていることなどの話が合った。
次に職場におけるがん検診受診率アップのための対策について~企業2社の取り組みと題して、株式会社宮崎銀行 旭化成健康保険組合家族健康指導グループ 保健師2名からの取り組み発表があり、若い世代に増えている子宮頸がんの受診率が低いこと、胃がん検診の受診率など課題が上がった。これらの発表を受け中川先生より、若い世代の子宮頸がん受診率アップのためには平日の夜間午後5時~7時の時間帯で子宮頸がん及び乳がんを同時に受けられる施設が増えることがキーポイントといわれた。また、胃がん検診を増やすためには、ピロリ菌が胃がんの原因の大半であることから、ピロリ菌の有無を検査できるペプシノーゲンを検査に取り込むことも一つの方法であることを言われた。
最後のプログラムとして 子宮頸がん啓発団体キャリア・ピジョン代表 あまのともみ氏より「子宮頸がんを知ってください。~私の体験談~」と題して体験トークとピアノライブがあった。体験トークの中で、「ワクチンを受けたから100%がんにかからないとは限らない。自分自身、ワクチンの効かない型のウイルスに感染したこともあり、若い方へ検診を受けることを勧めている。」との話があった。また、ライブを通して自分の健康に関心を持つ方が増え、一人でも多くの方が検診を受けるきっかけになればうれしい、検診の輪が広まることを願っているなどの話があった。参加者からは、「改めて生活習慣を見直そうという気持ちになりました。早期発見できればがんも怖くない。定期検診をきちんと受けます。」「従業員及び家族合わせて自分の家族にもがん検診を受けてもらうようにPRする力が湧いてきました。」「私も20代ですが、検診を受けたことがないので、きちんと受けようと思います。また、友達にもすすめたいと思います。」などの感想が多数聞かれた。