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がん検診受診率向上プロジェクト
workshop・report

がん検診受診率向上プロジェクト

令和元年度

宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト講演会を開催しました

■日 時:令和2年2月13日(木) 午後1時30分から午後4時まで
■会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
■対象者:県、市町村、県内企業団体、県民
■参加者数:95名
■内 容:
 がん検診受診率向上プロジェクトでは、地域・職域の連携を図り更なるがん検診受診率向上に取り組むことを目的とした講演会を開催し、95名の方に参加いただいた。
 今回も、昨年に引き続きタレントの原千晶氏を講師に迎え、がん体験者の立場から生の声を伝えていただいた。続いて、職場や医療、がん患者が思う宮崎県のがん対策というテーマで、がん検診受診率向上の取組について意見交換を行い、今後の取組に役立てていくことを目的とした。

講演

演題  「大切にしたい自分の体 ~2度の子宮がんを経験して~ 」
講師  タレント 原 千晶 氏
 今年、2度目のがんを経験して10年の節目を迎えた。最初のがんが分かる前、いつもと違う症状に気づいていたのに、すぐに受診することはしなかった。その後に婦人科を受診し、最初のがんが分かってから、医師に子宮全摘を勧められた時、ショックのあまり両親や周りの意見に耳を貸さず、その後の定期検診も自己中断してしまった。結果として、5年後にがんの再発で子宮全摘と抗がん剤治療を余儀なくされた。この経験から、後悔していることは、少しでもおかしいなと思ったら受診すればよかったということ、最初のがんから2度目のがんの経過では、知識不足で自己判断してしまったこと、そして、大事な人たちを思いっきり巻き込んでしまったこと。自分のような経験をしないよう、がんに対して、「自分は大丈夫」「まだ若いから心配ない」と油断せずに必ず検診を受けてほしい。また、がんに関する正しい知識を広げていただくようお願いしたい。

演題 「大切にしたい自分の体 ~2度の子宮がんを経験して~ 」

パネルディスカッション

演題 「宮崎県のがん対策について」
コーディネーター:(公財)日本対がん協会 小西 宏 氏
パネリスト:タレント 原 千晶 氏
      宮崎県立宮崎病院 副院長 嶋本 富博 氏
      株式会社宮崎銀行 人事部 津留 美穂 氏
      九州電力株式会社 人事・業務部 西尾 仁美 氏

がん検診受診率向上のための普及啓発・体制整備について

  • 子宮がんは定期検診とワクチン接種で将来的には撲滅できるといわれているが、日本の受診率は先進国でも最低レベルである。特に県内においては、子宮がんの死亡率がワースト3位以内という状況が続いている。
  • 普及啓発の方法として、最近では有名人ががんを告白する場面が多く見られるようになった。そのように、がんであることを隠さずに戦うことができるものであること、がんを特別視しないということがイメージアップにつながる。メディアの力も大きいので、上手に利用していくとよいのではないか。
  • 従業員の向こうには家族がいることを意識すると、家族の中でがんになる人がでた場合に、がんになった側を支える負担は非常に大きい。そのような支える側にも届くような啓発が大切である。
  • 情報発信として、文字だけで見ることは今までもあったが、体験者の声や医療現場の声という生の声が加わると、より効果的になる。また、正しい知識を広げること、"知識のネズミ講"ができるとよい。
  • 情報は必要だが、専門職が使う用語や分類の難しさが壁になることがあるため、伝わりやすいことばの使い方も大切。

パネルディスカッション  演題 「宮崎県のがん対策について」

平成30年度 宮崎県がん検診受診率向上プロジェクト講演会を開催しました

■日 時:平成31年2月6日(水) 午前10時から午後3時まで
■会 場:宮崎県総合保健センター 大研修室
■対象者:県、市町村、県内企業団体等
■参加者数:122名
■内 容:
 宮崎県委託事業の「がん検診受診率向上プロジェクト事業」で講演会を開催した。
 当日参加者数は122名(県・市町村24名、企業63名、学校15名、個人・その他20名)であった。
 今回の講演会では、企業、行政、医療関係者、一般の方を対象にがん検診の重要性の啓発と受診率向上に必要な官民協働の取り組みについて意見交換を行い、今後の取り組みに役立てていくことを目的とした。

講演Ⅰ
  演題 「新たな検診法 ワクチンのことも」
            宮崎県立宮崎病院 副院長 嶋本 富博 氏

・子宮頸がんの原因の一つにHPVウィルスがあり、誰でも感染するウィルスで感染を防ぐのは難しいのでHPVウィルスが陽性であるということは人間である証である。ウィルスに感染しても90%は自然消滅して10%が前癌病変となり、実際に感染した人のうち、1000分の1が、がんを発症する。

・現在、日本はHPVワクチンの積極的な接種は行っていない。WHOは、HPVワクチン接種へのプログラム導入を強く推奨しており、オーストラリアでは2007年からワクチン開始、2013年から男の子も接種しており、18~24歳の陽性率27%だったのが、2015年は陽性率が1.1%と減少している。

講演Ⅰ  演題 「新たな検診法 ワクチンのことも」

講演Ⅱ
  演題 「大切にしたい自分の体 ~2度の子宮がんを経験して~」
                    タレント 原 千晶 氏

・子宮頸がんはワクチン接種と検診で防ぐことができるがんであること、特に若い女性に自分の体は自分で守ってほしい。妊娠、出産の将来設計がある女性は自分の体調を整えることが健全な妊娠、出産、子育てに繋がっていくということ、女性が元気でなければいけないということを伝えていきたい。

講演Ⅱ   演題 「大切にしたい自分の体 ~2度の子宮がんを経験して~」

【パネルディスカッション】
   演題「宮崎県のがん対策について ~官民協働の取り組み~」
   コーディネーター:宮崎県福祉保健部 健康増進課 矢野 好輝 
   パネリスト:タレント 原 千晶氏
         宮崎県立宮崎病院 副院長 嶋本 富博 氏
         東京海上日動あんしん生命 宮崎生保支社長 掛川 敦史 氏
         全国健康保険協会宮崎支部 保健グループ長 加藤 栄子 氏

  「がん検診受診率向上のための県民への普及啓発について」
 子宮頸がんは若い女性(特に20~30代)の罹患率、死亡率が増えてきているが、その年代の検診受診率は低い。この現状をもとに若い年代の検診未受診者に対して検診の普及啓発をしていく必要がある。
 普及啓発の方法として、有名人ががんになった時、2年前に著名な方が乳がんになった時など乳がん検診が多くなった。メディアの力、著名人の力は大きいと思って上手に利用していけばいい。

 「女性または働く世代の方の、がん検診を受けやすい環境整備について」
 検診を受けやすい環境整備は、事業場と家庭の両方で受けやすい環境を作っていくことが必要である。例えば、夫が妻に「検診を受けなさい」と言うだけでなく、妻が検診に行けるように「今日は自分が有休を取って家のことするから検診に行っておいで」「一緒に検診受けに行こうよ」など妻が検診に行ける環境を家庭の中でも作ることが必要である。
  
 子宮頸がん検診は、がんになる前の細胞がわかる検診であることや、異形成は「がん」ではないことなど、検診の結果を誤解している人も多いので、ここをしっかり説明していく必要がある。これからは子宮頸がん検診は、がんになる前の細胞を見つける検診であることや早期発見で治療を行うとほぼ100%治癒すること、若い女性に多いことなどを、わかりやすく冊子、番組、メディア、ユーチューブなどで啓発していきたい。

パネルディスカッション  演題 宮崎県のがん対策について ~官民協働の取り組み~

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