食生活改善推進員研修会
workshop・report
食生活改善推進員研修会
令和7年度 食生活改善推進員研修会
■日 時:令和7年5月30日(金) 午後2時から3時30分まで
■会 場:宮崎県立メディキット県民文化センター 演劇ホール
■対 象 者:宮崎県食生活改善推進協議会会員と各市町村・保健所の担当者
■参加者数:283名
■内 容
●講 演:食生活の改善で脳卒中を予防しましょう
宮崎大学医学部臨床神経科学講座脳神経外科学分野
准教授 大田 元 氏
●活動報告
発表者:小林市食生活改善推進協議会会長 柳田 きえ子 氏
発表者:日向市食生活改善推進協議会会長 御手洗 希世子 氏
講演では、宮崎大学医学部准教授の大田氏に講師をお願いし、「脳卒中とは」「脳卒中予防を目的にした栄養管理」の内容でご講演いただいた。写真やイラストなどを多用し、分かりやすい内容で参加者からも大変好評だった。脳卒中になると、今まで元気だったのにある瞬間に突然倒れ、片方の手足や顔半分にまひやしびれ、言語障害、視覚障害などの後遺症が残ったり、寝たきりになることもある。
脳卒中の分類は血管が詰まるタイプ(脳梗塞)と血管が破れるタイプ(脳出血とくも膜下出血)に分かれ、発症から数時間で血管の閉塞から再開通の治療ができると後遺症が残らず、社会復帰できる可能性が高いとの話もあった。脳出血の大部分は高血圧と過度の飲酒が原因であり、生活習慣病の対策が必要であり、栄養管理も重要である。塩分の取りすぎ、過度の飲酒を避け、
コレステロールの量を減らし、バランスのとれた食事を摂るように心がけることが大事である。「宮崎県脳卒中手帳」を資料として配布していただいた。「脳卒中は発症すれば後遺症や寝たきりになる恐ろしい疾患です」「脳卒中を疑う症状が出現したら、速やかに医療機関を受診してください」「脳卒中はリスクファクターの管理が重要です」「食生活を改善して脳卒中を予防しましょう」の4項目をまとめとし、講演を終了した。
活動報告では、厚生労働大臣表彰を受賞した小林市と日向市の食生活改善推進協議会の会長お二人が発表を行った。どちらの協議会もそれぞれの市の紹介、各協議会のあゆみ・活動についての紹介だった。自己学習、日本食生活協会の事業、宮崎県委託事業、各種イベントへの参加など、日ごろの活動を工夫を凝らしてわかりやすく、話されていた。
アンケートでは、ほかの市町村協議会との交流を希望する意見もあり、大変有意義な活動報告になった。
令和6年度 食生活改善推進員研修会
■日時:令和6年6月17日(水) 午後2時から3時30分まで
■会場:宮崎市民文化ホール
■対象者:宮崎県食生活改善推進協議会会員と各市町村・保健所の担当者
■参加者数:299名
■内容:講演 歯科から全身の健康を考える ~オーラルフレイルを知ろう~
講師 一般社団法人宮崎県歯科医師会理事
弓場歯科医院 院長 弓場 光泰 氏
歯科医師である弓場氏に講師をお願いし、口腔の意義・役割についてご講演いただいた。写真やイラストなどを多用し、分かりやすい内容で参加者からも大変好評だった。
口腔の機能についての内容から講演が始まり、口腔の機能は、咀嚼(摂食)・嚥下・発語・唾液・味覚に大別ができ、発語は、舌の動きや歯並びが影響し、唾液のパワーは近年見直されている。(唾液には抗菌作用があり、唾液が不足すると口腔内が不衛生になる)
う蝕(うしょく:虫歯のこと)は原因菌が糖分を代謝することによって発生する酸によって歯が脱灰(溶ける)科学的な現象であり、酸に強い歯を作ることが大切である。フッ化物の配合されている歯磨き粉を使用することを勧められた。
日本人は口を動かさない文化なのでオーラルフレイルの危険性が高い。口腔機能の低下は些細なことで始まり気付かないことも多い。口・舌の動き、噛む力・舌の力、飲み込むパワーなどが大切とも話していただいた。
最後に「歯科疾患のほとんどは治りません。予防がベストです。」の言葉で講演を締めくくられた。
令和5年度 食生活改善推進員研修会
■日時:令和5年5月31日(水)午後1時から3時まで
■会場:メディキット県民文化センター
■対象者:宮崎県食生活改善推進協議会の会員と各市町村の事務局担当者
■参加者数:330名
■内容:講演 「この人の話を聴いてみたい!」と思っていただく印象UP術
講師 オフィスあかの 代表 赤野 千恵 氏
接遇インストラクターである赤野氏に、いろいろな方とお話をする機会の多い食生活改善推進員へコミュニケーション力の向上を目的にご講演いただいた。会場の座席で行えるワークを数多く取り入れ、参加者が飽きることなく、あっという間に時間が過ぎた講演だった。
まずはペアでワークを行い、固定観念をなくし、きっとこうだろうをやめることが大事である事を話された。第1印象についての内容では、クレームを引き寄せてしまう人、第1印象が決まってしまうまでの時間、印象・身だしなみ等についての説明があった。ワークを取り入れながら、口角を上げると好感が持て、目元より口元が大切なこと。手鏡を使って笑顔に見える口角の上げ方、ジェスチャーなどの話もあった。笑顔で声のトーンが上る事やふわっとした布のイメージを持ちながら対応すると印象がよくなるという話もしていただいた。
質疑・応答でも積極的に質問があり、「愛想の悪い人への接し方」、「年齢と共に声が低くなり、怒っているように聞こえる」等の対処法も丁寧に回答していただけた。
令和4年度 食生活改善推進員研修会
■日時:令和4年6月1日(水) 午後1時から3時まで
■会場:メディキット県民文化センター
■対象者:宮崎県食生活改善推進協議会の会員と各市町村の事務局担当者
■参加者数:239名
■内容:
昨年度の研修会終了後のアンケートに災害対策についての講話の要望があり、本年度の講演のテーマは「防災・災害時の活動」とし、2名の講師の方にご講話いただいた。
講演Ⅰ 重点受援県のボランティア ~私が動かなければ誰も動けない~
講師 宮崎県立日南病院
防災士 災害派遣医療チーム(DMAT) 服部 さと美氏
内閣府が策定する「具体計画が想定する南海トラフ巨大地震」では全国で指定された10の「重点受援県」に宮崎県は指定されている。被災後のプッシュ型支援のタイムライン(イメージ)が細かく策定(ボランティアを受け入れるのにも準備が必要)されており、プル型支援は次々に送られてくる支援をどうさばくかが課題となる。災害弱者としての目線が必要であり、特に女性ならではの目線が大事である。ボランティア活動は相手のルールに必ず従い、支援する側の倫理的配慮が必要などのご講演をいただいた。
講演Ⅱ 栄養士会における災害支援活動
講師 公益社団法人 宮崎県栄養士会副会長
公益社団法人 日本栄養士会 災害支援チームリーダー 日高 知子氏
阪神淡路大震災後、備蓄やボランティアを考えるようになり、日本栄養士会は東日本大震災を機に支援活動が始まった。当初、被災地の望む活動ができず、支援活動を見直すきっかけとなり、日本栄養士会災害支援栄養士(JDA-DAT)の養成が行われるようになった。熊本地震の災害支援活動はカウンターパート方式で行った。食事の支援を行うには、まず、トイレの設置が大切である(トイレを利用しないために水分を制限し、体調を崩す高齢者が多い)。トイレを作る練習も必要。支援物資が山積みにされ、必要なものが取り出せない。仕分けする人も大切である。宮崎県災害時行政栄養士活動マニュアルに食生活改善推進員の連携も明記されている。各市町村協議会で確認をして欲しいなどの講演内容であった。